高齢になると、足腰の筋力低下や関節の痛み、バランス感覚の衰えなどから、足元のおしゃれよりも安全性と快適性が優先されます。葬儀という長時間の立ち仕事や移動を伴う場で、高齢者が安心して参列できるよう、安全な靴選びのポイントを紹介します。最も重視すべきは「安定感とフィット感」です。ヒールのある靴は転倒のリスクが高まるため、避けるべきです。黒色で光沢のない、低めのヒール(1~2cm程度)か、完全にフラットなぺたんこ靴を選びましょう。靴底が滑りにくい素材であることも重要です。足の甲をしっかりと覆い、紐やマジックテープで調節できるタイプの靴は、足にフィットしやすく、歩行時の安定感を高めてくれます。次に「クッション性と軽量性」です。長時間立ちっぱなしになることを考慮し、靴底に十分なクッション性があるものを選ぶと、足への負担を軽減できます。また、靴自体が軽いものを選ぶことで、足運びが楽になり、疲れにくくなります。高齢になると足を持ち上げる筋力も衰えるため、軽量な靴は非常に有効です。さらに「着脱のしやすさ」も大切なポイントです。紐を結ぶのが苦手な方や、かがむのが辛い方もいらっしゃいます。スリッポンタイプや、マジックテープで簡単に着脱できる靴を選ぶと、介助が必要な場合でもスムーズに対応できます。ただし、カジュアルに見えすぎないよう、シンプルなデザインと落ち着いた素材を選ぶことが肝要です。そして「足のトラブルへの配慮」です。高齢者には、外反母趾や内反小趾、浮き指など、様々な足のトラブルを抱えている方が少なくありません。靴を選ぶ際は、つま先部分にゆとりがあり、足指を締め付けないデザインを選びましょう。また、靴の素材も柔らかく、足に馴染みやすいものを選ぶと、痛みを感じにくいです。可能であれば、足の専門医や義肢装具士に相談し、適切な靴やインソールを選ぶことも有効です。高齢者が葬儀に参列する際には、これらの点を踏まえ、自身の足に合った安全で快適な靴を選ぶことが、故人への敬意を表しつつ、自身の健康を守ることに繋がります。