故人のPC処分方法

2021年1月1日。私はある抱負を決めた。それは、「毎年やろうやろうと思ったことを今年こそやる」である。歯医者治療(虫歯を放置してた)、窓の掃除(これも放置してた)などなど、1月からエンジンをかけ、最後に辿り着いたのが過去の壊れたPCの処分だった。初めてPCを手に入れてから10年は経過し、その間にいくつものPCが命を落とし、そんなPCたちが部屋の一角を占めるようになっていた。置き方によっては部屋のドアを全部開けられないくらいに。壊れたPCの処分というのは往々にして面倒、というイメージがあった。そもそも普段の粗大ごみに出すこともできないし、近隣のクリーンセンターに持っていくこともできない。ずぼらな性格をしている私だから、「ああ、もういいや」と思い放置を決め込んで数年。いや、その数年の間にもネットで調べて処分をしようとした。その時は病気で収入が少なかったこともあり、処分に回すお金はなかったのだ。だがしかし、今は違う。病気は完治し、現在の職場で昇進を果たし、雀の涙ほどではあるが、収入は上がった。今しかない!と意気込み、さっそくネットで調べると、意外にも「無料回収」と銘打たれたサイトがずらりと並んでいたのだ。「無料」、なんと素敵な言葉だろう。これでスムーズにPCを処分できる、と思いきや一つの壁に辿り着いた。それは、「メモリ削除の費用はかかる」という現実。それもそのはず。PCにはさまざまな個人情報が入っている。これを消さなければ、回り回って何かに悪用される可能性がある。しかし、それにはPC1台あたり3000円かかるという。現在、処分したいPCは4台。12000円……そんなかかるのか。だが!今年の自分は違う!もう迷わない!個人情報を入力し、依頼ボタンをついに押したのだった!ついにこのPCたちとさようならができる……と思ったが、またも壁にぶつかった。それは、PCを入れるための段ボールが必要だというのだ。ちょうど昨日古紙回収の日だったために家に段ボールが1枚もない今、結局ホームセンターまで段ボールを購入しに行くことになったのだ。ずぼらな自分としては、これは骨の折れる作業だった。だが、買ってきた段ボールに壊れたPCたちもすっぽりと入り、翌日、業者の方がいらっしゃって、ついにPCを回収してくれた。この10年、たくさんの情報を、体験を与えてくれてありがとう。PCたちよ。また、別の形で蘇ってくれることを祈る。さようなら。そんな気持ちで業者の方を玄関で見送りをし、ついに私の目標が達成されたのだった。壊れたPCがあったスペースはぽっかりと空き、自分の部屋じゃないみたいとテンションが上がった。何かインテリアでも買おうかなと思っている。こういった不用品回収って色々面倒と思うことはあるが、回収された後のことを考えればやった方がいいものだ。