葬儀における移動手段として欠かせない霊柩車やマイクロバスの運転手に対しても、心付けを渡すべきかどうかは悩みどころですが、これに関しても「会社の方針」と「雇用の形態」によって判断が分かれます。葬儀社の正社員が運転している場合は、葬儀代金に人件費が含まれているため、基本的には不要とされていますが、外部の運送会社やハイヤー会社から派遣されている運転手の場合、心付けを渡すことが慣例となっているケースが多々あります。渡す場合の相場は、霊柩車の運転手に「3千円〜5千円」、マイクロバスの運転手に「2千円〜3千円」程度であり、ハイヤー(乗用車)の運転手にも同額程度を渡すのが一般的です。渡すタイミングは、出棺の直前、または火葬場に到着して降車する際がベストであり、「安全運転をありがとうございました」「ここまでお世話になりました」と一言添えて手渡すと、運転手も気持ちよく業務を終えることができます。特に、雨の中を傘をさして誘導してくれたり、高齢者の乗り降りを丁寧にサポートしてくれたりといった「プラスアルファの配慮」を感じた場合は、感謝の気持ちとして心付けを渡すことで、そのプロ意識に報いることができるでしょう。ただし、最近では大手葬儀社を中心に「ドライバーへの心付け禁止」を徹底しているところもあり、渡そうとしても「規則ですので受け取れません」と固辞されることもありますので、その際は無理強いせずに「お気持ちだけ頂戴します」という言葉に甘え、感謝の言葉だけを伝えるに留めるのがマナーです。心付けはあくまで「心」ですので、義務感で渡すものではなく、相手の働きに対する敬意として自然に手渡せるかどうかが、渡す側にも受け取る側にも重要なポイントとなります。