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2025年12月
  • 足元からわかる弔意葬儀における靴のマナー

    知識

    葬儀における服装マナーは、故人への敬意と遺族への配慮を示す重要な要素です。中でも足元は、意外と見落とされがちですが、参列者の弔意を伝える上で非常に大切な役割を担っています。適切な靴選びは、葬儀という厳粛な場にふさわしい姿勢を表すことに繋がります。まず基本となるのは「色」です。喪服と同様、靴も「黒」が絶対条件です。光沢のあるエナメル素材や、明るい色のステッチが入ったもの、派手なブランドロゴが見えるものは避けましょう。控えめでマットな質感の黒い靴が最適です。次に「デザイン」です。男性の場合は、紐で結ぶタイプのストレートチップやプレーントゥの革靴が最もフォーマルとされています。ローファーやモンクストラップはカジュアルと見なされることもあるため、避けるのが無難です。女性の場合は、ヒールが3cm~5cm程度の黒いパンプスが一般的ですが、健康上の理由などでヒールが難しい場合は、後述するようなマナーに沿ったぺたんこ靴を選びましょう。いずれにしても、オープントゥやサンダル、ミュール、スニーカー、ブーツなどは不適切です。足の甲が隠れ、爪先が完全に覆われているデザインを選びます。そして「素材」です。革製や布製が一般的ですが、爬虫類系の型押しやアニマル柄、メッシュ素材は避けるべきです。光沢のない、落ち着いた素材を選びましょう。また、靴下やストッキングも同様に「黒色」を着用します。女性の場合、透け感のある黒いストッキングが基本ですが、寒い時期には厚手のタイツでも構いません。素足は厳禁です。最後に「清潔感」です。どんなに高価な靴でも、汚れていたり、手入れがされていなかったりすれば、だらしない印象を与えてしまいます。葬儀に参列する前には、必ず靴を磨き、汚れを落としておくことがマナーの基本です。靴底に泥などが付着していないかも確認しましょう。これらのマナーを守ることで、参列者は故人への深い弔意と、遺族への配慮を足元から示すことができます。